ひとりが好き
私はひとりが好きだ。
ひとりでいる時間を最高に楽しんで大切にしている。
パートナーがいたとしても、ひとりの時間を持ちたいと切望することが多い。
これといってやることがない時間なんか特に最高だ。
いろんな物事に対して物思いに耽ってみたり、二時間も三時間もただ雲の形を眺めてみたり。
ひたすらぼーっとしてその時に降りてくる考えや発想に自分自身でハッと気づくこともあるし、
この時間があるから私は生きることが楽しいんだなと思う。
あるネット記事で「結婚したくない理由」を挙げているものがあった。
「趣味の時間が大切だから」という理由に対して
”「たかが趣味なんかで…!」と思われるかもしれませんが…”
という一文があったのを読み、少なからず衝撃を受けた。
私にとっては「たかが結婚で趣味を今よりも大切にできなくなるかもしれないなら、結婚という仕組みにはほとんどメリットを感じられないなぁ」と思うほど、趣味は人生で最も大切なもののうちの一つなのだが、多くの人にとってはそうではないのかもしれない。
多くの考え方において、自分が多数派ではないことはわかっているつもりだが、それを実感するときはなんというか「ほほーう、マージかー!」みたいな、感心めいた感情が湧いてくることがある。
ネガティブなショックではないことは確かなんだけど、やっぱり自分って色々人と違うんだなあみたいな。改めて認識する感じと言うのでしょうか。
とにかく、ひとりという時間を愛しているのです。
ただただ、気楽で、自由で。この自分の状態に概ね満足していて、いろんな趣味もあって、大好きな友人ら、そして尊敬する人たちがいて。
誰かと常に一緒にいると、どうしても息が詰まってしまう。
私はきっとそういうタイプなのだと思います。
何もないことが幸せ、とか本気で思ってしまうタチなのです。
なんか、ぼーっとしていたい。ぼんやりした世界観が好き。
たったひとりで、その世界観を味わったり、後腐れなくパッと出かけてどこか外の世界を楽しんで、パッと家に帰って、たったひとりでその余韻に浸っていたい。
時々、息の合った人とそれをワッと共有して(電話でもいいし日中に会ってすぐ帰宅するのでもいい)、夜長にその雰囲気をまた自分ひとりで味わうのだ。
月が見える日なんかは最高だね。ああ、この時間を私がたったひとりで、誰にも邪魔されず今贅沢に過ごしていられるんだ。いつまででも月を見ていていい。
最高だ。
そんな感じなので私は今のところ兎にも角にも、人と暮らすということに魅力を感じられない。
ひとりでいるから、人を大切に大切に思える。
誰かといたら、月を見ながら大切な人たちの幸せをたっぷり願える夜が持てないかもしれない。というか、目の前にいる人のペースに合わせることが難しくてずっとウンウン唸っているかもしれない。
私はどうやらひとりでいると穏やかで、優しくて、丁寧で、人からの愛を感じて感謝したり生き生きと外の世界と心でつながって、そして幸せでいられるタイプのようです。
とても幸せで、贅沢な人間なのだなと思っています。
そんなことをひとりでじっくり思う、夏の夜なのでした。