買っているのは美味しさではなく、情報だった
ビスコばかり食べている。
ビスコはなぜか健康そうなイメージがある。あと安い。
小さい箱だと88円で売ってたりする。保育園のこどものおやつになるくらいだからジャンクではないだろう。
パッケージにも健全そうなこどもの顔が印刷されている。
安心ですよと言われてる感じだ。
正直にいうとビスコの栄養表示などを詳しく見たことはない。
摂食障害の経験があるくらいなのでそういうところは細かくチェックするタチなのだが、ビスコは見ていない。
あのこどもの顔と、ビスコという昔から親しんだ文字の並びに安心してしまう。
メンソレータムのナースの女の子に近いものを感じる。もっと本筋から逸れたことを書くと、メンタームに描かれているキャラクターはメンタームキッドという男の子だそうである。
兎にも角にも、私はビスコの栄養表示は見ていないのだがいわゆる「パケ買い」をしているのだろう。情報を買っている。ビスコを心底美味しいと思っているかどうかはまた別問題だ。
コンビニ商品にもスーパーの食品にも「タンパク質何グラム」「食物繊維レタス何個分」と数字記載のあるパッケージデザインをしてある。いかに情報で人の脳に働きかけ購買意欲を煽ることができるか、みたいな企業の商魂たくましい熱意を感じる。
人はいつから情報を買うようになったんだろう。
今のところ私はビスコで安心しているのだがいつかは街のケーキ屋さんが真心込めて作った、カロリーなんて不明の甘ったるい重たいケーキを、頭で考えるんじゃなくて、こころの底から幸せに頬張りたいなと思う。